2011年3月1日

大倉精神文化研究所とインド(詩聖タゴールやパール判事)

大倉精神文化研究所とその創立者大倉邦彦(1882~1971年)は、下記のようにインドと関係が深い。

1、ラビンドラナート・タゴール(1861~1941年)
「詩聖」と呼ばれたインドの有名な文学者・思想家・芸術家
1913年(大正2)に詩集『ギーターンジャリ』によりノーベル文学賞を受賞
1916年(大正5)に初来日、原富太郎(三溪)の屋敷に宿泊
1929年(昭和4)の来日、大倉邦彦の自宅に約一ヶ月滞在

この時、病気になり看病を受けたことに感謝し、帰国後に自身の著書約160冊とモデルシップを贈る。これらは、現在大倉精神文化研究所が所蔵している。
この年、タゴールは柔道をインドに広めたいと願い大倉邦彦に相談し、大倉が嘉納治五郎に伝え、講道館から高垣信造が派遣された。

1931年(昭和6)、タゴール生誕70年の記念
タゴールの秘書Chakravarty氏が世界中のタゴールの友人達に原稿を依頼し、集めた原稿により『GOLDEN BOOK OF TAGORE』という本を作り、タゴールにプレゼントした。日本へは、大倉邦彦に執筆者推薦の依頼が来た。大倉精神文化研究所の公務日誌によると、詩人野口米次郎、小説家武者小路実篤、哲学者井上哲次郎の作品を送った記事がある。日本からは、大倉邦彦の紹介で寄稿した上記3名の他に、姉崎正治(宗教学者)、片山敏彦(仏文学者)、尾崎喜八(詩人)の名前も見える。

1958年(昭和33)、インドのネール首相の呼びかけで、生誕100周年を祝うために「タゴール記念会」が組織され、大倉邦彦が理事長に就任した。事局とタゴール研究室を大倉精神文化研究所内に置き、記念紙『さちや』、論文集『タゴール』、『タゴールと日本』などの刊行、生誕百年祭、タゴールの夕べ、タゴール展示会などの記念事業を行った。

1961年(昭和36)、タゴール生誕100年祭

2011年(平成23)、タゴール生誕150年を記念して、大倉精神文化研究所では展示会や講演会などを企画中。

2、ラス・ビハリ・ボース(1886~1944年)
「中村屋のボース」として知られるインド民族運動の指導者
ボース氏も大倉邦彦と親交があり、タゴールの大倉邸宿泊は、「富豪の大邸宅での形式的な歓待は好まれない。むしろ思想的に気分のわかる人の所がよい」(『タゴール記念会会報』1号、大倉邦彦「タゴール翁を憶う」)とのタゴールの意向を受けて、ボース氏が邦彦に依頼したものだった。

3、ラダビノード・パール(1886~1967年)
国際法学者、極東国際軍事裁判(東京裁判)のインド代表判事
下中弥三郎(1878~1961年、平凡社の創業者、1952~56年大倉精神文化研究所所長)と義兄弟の契りを結び、世界連邦運動を推進した。
1953年(昭和28)、大倉邦彦の友人で研究所所長となった下中弥三郎は、研究所のためにパール博士をわざわざインドから招き、10月20日から30日まで大倉山で研究者向けの講義と一般向けの講演をしてもらっている。