港北区の歴史と文化(シリーズ わがまち港北)

第25回 交通安全は図書室から… -神奈川県トラック協会図書資料室-

お正月を迎えましたが、近年はなぜか今ひとつ心がはずみません。筆者が年を取ったせいかもしれませんが、年末年始も仕事を休まないところが増えて、正月らしさが無くなったためかとも思います。かつて商家の仕事始めは1月2日とされ、儀礼的な初商い(はつあきない)が行われました。商人は新調の衣装をまとい、店ではご祝儀や祝い酒が出されました。荷物には初荷の札が付けられ、町には初荷の幟(のぼり)を立てた車が行き交ったものです。
さて、貨物輸送の主役は古来の川船から鉄道へ移り、そして最近ではトラック便が国内貨物輸送量の9割を占めています。そこで、私も仕事始めとして、神奈川県トラック協会図書資料室を紹介いたします。
トラック協会とは、貨物自動車運送事業法に基づきトラック運送事業許可を受けた事業者でつくる団体で、全国各県毎にあります。神奈川県トラック協会(略称、神ト協、しんときょう)もその一つで、新横浜にある神奈川県トラック総合会館に本部が置かれています。神ト協には約2400の事業者が加盟しており、全国のトラック協会の中でも有数の規模を誇りますが、活動も非常に活発で、文化講演会や各種イベント等を行っています。図書資料室も、そうした活動の一つとして、昭和64年(1989)11月に全国に先駆けて開設されました。
図書資料室には、運輸・交通・経営・情報関係を中心に、平成12年(2000)末現在約8500冊の蔵書があります。規模は大きくありませんが、一般の書店や公共図書館では見られない業界誌や専門書が多数あります。しかし、なんといっても珍しいのは、約450本のビデオ(その他に16ミリフィルムが約50本)のライブラリーを備えていることです。ビデオの内容は、交通安全に関するものが大半を占めています。運転免許更新の時などに見る、あれをご想像下さい。あのようなビデオを製作し販売する業者がおり、それをコレクションしている図書室があるとは、驚きました。しかも、なんとこれらの視聴覚教材が、図書資料室の貸し出し資料の半数を占めているのだそうです。
図書資料室の利用者は、神ト協の会員事業者や従業員・関係者です(一般の方も事前に連絡すれば対応していただけるようです)。会員事業者の最大の関心の一つは、交通事故の撲滅にあります。運輸業者は規模の小さな会社が多いので、交通事故は会社の存続にも関わります。そこで、社員研修のためにビデオを借りる方が多いのだそうです。このビデオで交通事故が少しでも減ることを願って止みません。
余談ですが、神ト協のホームページ(http://www.kta.or.jp)には、引っ越しの豆知識や交通安全子供ショーなどのイベント案内といった消費者のお役立ち情報も掲載されています。

(2001年1月号)