『楽・遊・学』平成25年5月号原稿

シリーズ わがまち港北

第173回 「大倉山さんぽみち」を歩いてみよう!―その1・大倉山駅~鶴見川―

 

「大倉山さんぽみち」のルートには、重要な場所に設置する総合案内板、ルートの出入口や分岐点などに設置するみち道しるべ標、知らせたい魅力のある場所に設置する説明板の3種類のサインがあります。このサインを追って歩いてみますが、その前に、さんぽみちの全容を把握することから始めましょう。
そこで役に立つのが『大倉山さんぽみち探検手帳』(港北図書館蔵)です。これは、平成元年(1989年)の夏休みに行われた「大倉山さんぽみちスタンプラリー」のスタンプ帳です。手帳には、さんぽみちの全体地図や、ヒントなども載っており、とても参考になります。
スタンプラリーは、さんぽみちを楽しく歩いてもらうために企画されたもので、6ヶ所のポイントにあるスタンプを押し、さらに手帳に書かれたクイズに全問正解すると抽選で100名に記念品がもらえるというものでした。
ちなみに大倉山記念館はスタンプポイントの1つで、使用されたスタンプのデザインは記念館を背に古代ギリシャ人と思(おぼ)しき人物がたたず佇んでいるものでした。しかし他のスタンプがどんなデザインだったのか、この時の記念品は一体何だったのか、その詳細はわかっていません。スタンプラリーについて情報をご存知の方がいましたら、是非ご一報下さい。
さて、大倉山さんぽみちは、大倉山駅~みそね公園、大倉山駅~鶴見川、菊名駅~みそね公園、菊名駅~新横浜駅、新横浜駅~鶴見川の5ルートに分けられています。歩き方に決まりはありませんので、筆者はまず、大倉山記念館を出発点に、大倉山駅~鶴見川のルートを歩くことにしました。
大倉山駅前の総合案内板を見ると、このルートの主な見どころは、「①大倉山公園 大倉山記念館 梅林 ②龍(りゅう)松院(しょういん)(文殊菩薩(もんじゅぼさつ)) ③歓(かん)成院(じょういん) ④太尾神社 ⑤みつ三みね峰しゃ社 ⑥ろう牢じり尻台地」と書かれています。恥ずかしながら筆者は、三峰社と牢尻台地の名前をここで初めて知りました。そしてこれからどんな発見があるのか、サインはいくつあるのか、胸おど躍らせて歩き始めました。
順路としては、記念館を出て、オリーブ坂、エルム通りを通って大倉山駅へ。そして記念館坂を上り、記念館に戻ったら、今度は梅林方面へ抜け、龍松院や太尾見晴らしの丘公園を経て、県道140号線に至ります。
オリーブ坂とエルム通りではサインが見つかりませんでしたが、駅前には総合案内板、そこから記念館坂へ向かうと、「不滅への飛翔」の像の並びに説明板があります。そして花いっぱいの大倉山公園の入口付近には2つめの総合案内板がありました
梅林方面へ進むと、梅見坂に差し掛かる所に2つめの説明板を発見しました。しかし梅林を過ぎるとしばらくサインは見られません。坂を下り、龍松院を経て、住宅街を道なりに進みます。さらに進むと少し開けた三叉路に、ここまでで初めての道標発見です。すると程なくして三峰社と思われる場所に着きましたが、そこには高い塀が築かれていました。塀の向こうには社地に続くであろう急な石段が見えますが、現在は入ることが出来なくなっています。25年前には見どころの1つであった場所の入口に立つ塀の存在に、時の流れを感じざるを得ませんでした。
三峰社から先へ進むと、道の突き当たりに説明板がありました。説明板の地図に従って牢尻台地へ向かい、長い階段を上りきると、急に視界が開け、野球をする子供たちの姿が目に飛び込んできました。牢尻台地は、平成12年(2000年)に、太尾見晴らしの丘公園として整備されています。公園では遊具で遊ぶ親子連れの姿もありましたが、25年前には全く別の様相を呈していたことでしょう。なお、公園は弥生時代を主体とする「牢尻台遺跡」の中にあり、公園整備時の発掘調査では竪穴住居あと址や遺物も多数発見されています。
公園を突っ切り、マンションが建ち並ぶ坂を下り切ると、まもなくゴールです。しかしその直前、民家の塀に半球型の道標が直接取り付けられているのを見つけました。台座のないサインは初めての発見です。壁と一体化したこの形態のサインが沢山あるとしたら見落としてしまう可能性がありそうです。この発見は今後へのけい警しょう鐘になりました。
このルートで発見したサインは総合案内板2つ、説明板4つ、道標3つの計9つです。思ったより少なかったですが、その分見つけた時の喜びはひと一しお入でした。
さて、県道へ出て道を渡るとゴールも目前!…のはずがその後、地図とにらめっこしながら、しばらく辺りを右往左往することになります。この続きは次回に。
(今回の散策のさらに詳しい情報は、研究所ホームページ http://www.okuraken.or.jp/ をご覧下さい。)
記:林 宏美(大倉精神文化研究所職員)

 

 

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