『楽・遊・学』平成25年10月号原稿

シリーズ わがまち港北

第178回 「大倉山さんぽみち」を歩いてみよう!―その4・菊名駅~みそね公園―

 

寄り道しているうちに、すっかり涼しくなり秋の陽気になりました。「大倉山さんぽみち」も残り2ルートです。
今回は「菊名駅~みそね公園」ルートを歩いていきます。なお、ルート名は「みそね公園」ですが、実際の公園名は「みその公園」となっています。さて、総合案内板では、このルートの見どころとして「①菊名神社②不動尊③蓮勝寺(横浜七福神の1つ)④川崎坂⑤菊名貝塚⑥永(えい)昌(しょう)禅(ぜん)寺(じ)」の6箇所が挙げられています。
今回は、東急東横線の菊名駅東口を出発して、菊名神社、不動尊、みその公園の順に進んで行き、みその公園に着いたら引き返して、菊名小学校、菊名貝塚、川崎坂、蓮勝寺を通り、再び菊名駅東口に戻ります。
菊名駅を出発したら、菊名東口商店街を抜けて、綱島街道の旧道を通り、まずは菊名神社へ。神社の少し手前の向かいには早速道標がありました。菊名神社は一昨年11月に社殿の改修、昨年8月に鳥居の再建がなされ、装いも新たになりました。鳥居をくぐって左側にある手(ちょう)水(ず)鉢(ばち)の下では、「がまんさま」が我慢強く鉢を支えながら、私たちを迎えてくれます。
菊名神社からさらに進むと小泉糀(こうじ)屋(や)があります。菊名神社や糀屋さんが、テレビ朝日「若大将のゆうゆう散歩」で紹介されたのは、記憶に新しいところです。そこから程なくしてまた道標がありました。そしてそのすぐ側には鳥居があり、中央の額には「不動尊」と書かれています。ここが見どころに挙げられていた「不動尊」で、正式にはま大め豆ど戸不動尊といいます。鳥居をくぐって少し歩くと階段があります。また、階段の右手奥にはすい水ぎょう行ば場の跡があり、龍の口から水が流れ出る様子が見られますが、周囲はすっかり草木に埋もれています。階段は踊り場で二手に分かれます。正面の階段を上がると少し開けた場所に出ました。ここには以前、不動堂がありましたが、平成15年(2003年)5月、放火により焼失してしまったそうです。敷地内に残された建物の基礎部分や、「天保七丙(へい)申(しん)年」(1836年)と刻まれた手水鉢、石灯籠などを見ると、そこはかとない寂しさを感じます。
二手に分かれた階段のもう一方を上がると、マンションの前に出て来ます。ここにはかつて、資生堂の菊名花(はな)椿(つばき)寮がありました。25年前には寮と寮の間に道があり、さんぽみちのルートになっていましたが、現在その道はありません。マンション沿いに歩いて行くと、左右に延びる尾根道がありました。そこを右に曲がり少し歩くと、3つめの道標があり、道はまた二手に分かれます。菊名小学校方面の道と、みその公園へ向かう道です。ここではまず、みその公園に向かい、戻ってもう一方の道を歩きましょう。
急坂を下り、住宅街の中を進んで行くと4つめの道標がありました。さらにその先の永昌禅寺や鶴見大学師岡グラウンドを通り過ぎると、鶴見区に入り、みその公園にある横溝屋敷が見えてきました。横溝屋敷は、し獅し子がヶや谷村(鶴見区獅子ヶ谷)の名主を代々務めた横溝家の旧屋敷で、横浜市指定有形文化財(一般建造物)第1号です(昭和63年11月指定)。昔の農村風景が残るみその公園は、建物の修復や敷地内の整備を経て、平成元年(1989年)11月に公開されました。
みその公園から引き返して、3つめの道標まで戻ったら、尾根道を菊名小学校方面へと進んで行きます。小学校に差し掛かる手前の植え込みに5つめの道標がありました。今回は道標が沢山見つかります。その先には菊名貝塚がありますが、この場所で貝塚の存在を今に伝えるのは、国土交通省の寮の敷地内にある古びた看板のみです。この看板ですら意識して探さなければ見落としてしまいそうです。菊名貝塚の現状は、Webマガジンの「はまれぽ.com」で紹介されたばかりですので、是非ご覧下さい。
その先で右角を曲がり、道なりに進んで行くと川崎坂があります。ここは別名「や薬かん缶坂」ともいわれています(第94回参照)。坂を下りてくると、右には横浜七福神の毘沙門天を祀る菊名山蓮勝寺があります。
綱島街道に突き当たったら正面の横断歩道を渡り、右へ進みます。不動産屋さんの所で左手の脇道を入り、歩いて行くと最初に通った駅前の商店街に出ます。ここを左に行けば菊名駅の東口です。
今回のルートのサインは道標5つでした。ただし、このルートには少なくとも4年前までさらにもう1つ道標がありましたが、今はありません。これは、みその公園から3つめの道標までの道をGoogleマップのストリートビューで見ていくと確認できます。他のルートも含め、25年の中で失われたサインはいくつあるのでしょうか。
いよいよ残すルートはあと1つになりました。次回は「大倉山駅~みそね公園」のルートを歩きます。
記:林 宏美(大倉精神文化研究所職員)
 

 

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