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大倉精神文化研究所

横浜市港北区地域の研究

第233回 わがまち港北、今日この頃、そしてこれから

2022.12.01

文章の一部を参照・引用される場合は、『楽遊学』(港北区区民活動支援センター情報誌)の掲載号を確認の上、その書誌情報を典拠として示すようお願いいたします。


 シリーズ「わがまち港北」は、この度4年8ヵ月ぶりに連載を再開することになりました!再開と言っても、前回から長い年月が経ちましたので、お久しぶりの方も初めましての方もいらっしゃるでしょう。初めてご覧の方へ簡単に説明しますと、この連載は、港北区域の歴史や文化、その時々の話題をわかりやすく紹介することを目的とした読み物です。


 さて、再開後初の原稿、何をテーマにしようか悩みましたが、平成30年(2018年)4月以来の原稿ですので、まずはこの間の港北区の出来事を少し振り返ってみましょう。


 平成31年(2019年)、港北区は区制80周年を迎え、さまざまな記念イベントが行われました。11月に記念植樹として大倉山公園に植えられたハナミズキは、年ごとに大きくなって春には白い花を咲かせています。


 昭和14年(1939年)に誕生した港北区は当初、現在の緑・都筑・青葉に保土ヶ谷区の一部(上菅田町・新井町)までを含む広大な区域でしたが、昭和44年(1969年)と平成6年(1994年)の二度の行政区域再編成を経て、現区域となりました。令和4年11月現在の人口は市内18区最多の36万2,387人!横浜市の総人口が約377万人ですので、一区でほぼ10分の1を占めている計算ですが、人口増加はまだ続く見込み
です。三度目の区域再編が行われる日もいつか来るのでしょうか。


 11月には、日産スタジアムでラグビーW杯の決勝戦が行われました。筆者は現地観戦こそ出来ませんでしたが、決勝当日、新横浜駅に集まった世界中のラグビーファンの熱気を感じられたのは貴重な体験でした。


 令和2年(2020年)、世界を一変させたのが新型コロナウイルスです。目に見えないウイルスとの先の見えない戦いは未だ続いていますが、この年の明るい話題の1つが横浜市立箕輪小学校の開校です。箕輪小学校は平成27年(2015年)11月、旧アピタ日吉店や野村総合研究所などの跡地再開発による大規模マンション建設で、日吉台小学校の児童数急増が見込まれることから、仮称「日吉台小学校第二方面校」として設置構想が発表されました。平成29年(2017年)3月、校名が「箕輪小学校」に決定し、令和2年4月に区内26番目の小学校、横浜市では令和初の新設校として開校しました。


 令和3年(2021年)には、コロナ禍で1年延期となった東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催され、日産スタジアムは男・女サッカー競技の決勝会場となりました。これによって日産スタジアムは、サッカーW杯・ラグビーW杯・オリンピックの3つの世界的スポーツ大会で決勝戦が行われた世界唯一のスタジアムとなりました。また、区内では日吉の慶應義塾大学がイギリス、仲手原の武相中学・高等学校がボツワナ共和国とチュニジア共和国の代表チームに練習施設を提
供しました。この年の3月には、宮内新横浜線の新吉田高田地区が全線開通し、区最北部の高田から南の新横浜までが1本の道路でつながりました。11月には横浜市による小机城の試掘調査が行われ、小机城の歴史や縄張りの解明に大きな一歩が刻まれたことも記しておきます。

 令和4年(2022年)、1月には日吉図書取次所、愛称「日吉の本だな」がオープンしました。図書取次所は、インターネットで予約した横浜市立図書館の本の受取や返却ができる施設です。慶應義塾大学日吉キャンパス内の地域連携施設「協生館」内にあり、展示・企画スペースを備えているのが他の取次所にはない特色です。港北図書館は区南部にあり、最寄りの菊名駅からも少し離れています。図書取次所が区北部の日吉駅近くに開設されたことで、図書館サービスをより多くの方が利用しやすくなりました。


 他にも、ここに書ききれない様々な出来事がありました。いずれ別の機会にご紹介しましょう。来年令和5年(2023年)は、いよいよ相鉄・東急新横浜線が開業します!歴史を見ても、横浜線、東急東横線、東海道新幹線、横浜市営地下鉄と新たな鉄道網は地域を大きく変えてきました。新駅が設置される綱島は再開発が進んでおり、再来年3月には地域の文化を担う港北区民文化センター、愛称「ミズキーホール」の開館が予定されています。港北区はこれからどう変わっていくのか、期待は膨らみます。


 地域の歴史や文化はそこにしかない魅力であり宝です。地域を知ると地域が好きになり、毎日は一層楽しくなるはずです。この連載を通して、港北区の魅力をたくさん伝えていきたいと思います。


記:林宏美(公益財団法人大倉精神文化研究所図書館運営部長兼研究員)

(2022年12月号)

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