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大倉精神文化研究所

横浜市港北区地域の研究

第21回 師岡熊野神社の筒粥神事

2017.12.15

文章の一部を参照・引用される場合は、『わがまち港北3』(『わがまち港北』出版グループ、2020年11月)を確認の上、その書誌情報を典拠として示すようお願いいたします。


 12月も半ばになると、新年のことが気になります。誰しも、良い年になって欲しいと願うものですが、1年の吉凶を占うことを年占(としうら)といい、師岡熊野神社の筒粥神事がこれに当たります。
 1月14日の早朝より、熊野神社の拝殿の脇に据えられた大釜に、のの池の神水と米、神木である梛木(なぎ)の葉、27本の葭(よし)の筒を入れてお粥を炊き始めます。
 午後2時頃、お粥が炊き上がると神事が始まります。筒に粥がどの位入っているかによって農作物の作況やその年の吉凶などを占います。占われる農作物は23種類、地域の農家が昔生産していた作物です。
 この筒粥は949年に始まり、来年(2018)で1069回になるという古神事で、横浜市の無形民俗文化財にも指定されています。
 神事が終わると、参拝客にお粥が振る舞われます。これを食べるとその年は風邪を引かないそうです。
 さて、12月のことを師走(しわす)といいます。地名の師岡はこの師の字を使っていますが、(しおか)ではなく(もろおか)と読みます。難読地名の師岡については次回に。(S.H)

(2017年12月号)

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