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処世信念 第3講「目標は高く持て」

2024.04.24

処世信念 第3講「目標は高く持て」

大倉邦彦は、NHK東京放送局JOAKで、昭和12年3月25日から30日までの6日間、朝の修養講座「処世金言」と題する講演を行いました。放送後から反響が大きく、是非出版するようにという熱心な希望があったため、放送原稿を『処世信念』というタイトルで、昭和12年4月に千倉書房から出版しています。

本音声は、その第3回目(昭和12年3月28日)のラジオ放送を録音したSP盤レコードをデジタル化したものです。

  • 現在では不適切と思われる語彙・表記がありますが、放送された時代背景、また、講演者が故人であることを考慮し、音源はそのまま公開しています。

MP3、96kbps、17.8MB、19分27秒

目標は高く持て.mp3

以下は『処世信念』に掲載されている「梗概テキスト」です。(旧字体は常用漢字に、歴史的仮名遣は現代仮名遣いに変換し、また適宜、句読点・改行等の追加を施しています)

『葉隠論語』の中に、「今時ノ奉公人ヲ見ルニ、イカウ低イ眼ノ着ケ所ナリ。スリノ目遺ヒノ様ナリ。大方、身ノ為メノ欲得カ、利発ダテカ、又ハ少シ魂ノ落着キタル様ナレバ、身構ヘヲスルバカリナリ。我ガ身ヲ主君ニ奉リ、速カニ死ニ切ツテ幽霊トナリテ、二六時中主君ノ御事ヲ歎キ、事ヲ整ヘテ進上申シ、御国家ヲ堅ムルト云フ所ニ眼ヲ着ケネバ、奉公人トハイワレヌナリ。......」(第一)とある。之を引用して講話。

小児は褒め言葉につられて無鉄砲に努力するが、見境がないから直ぐに倒れる。大人も名誉心につられて、腕前を見せようとし、喝采を博しようとして努力しているが、その目標に誤りがあるから、結局、失敗に帰して自他に迷惑をかける。自己を中心にする欲望の為に、小智をめぐらして、高い目標がないからである。

目標とは、国家を堅むるというにあるべきである。即ち、陛下の御思召に叶って皇国の弥栄を果たす為、至誠奉公の念を忘れない事にあるのである。

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