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催し物

第15回研究所資料展/描かれた開港地・横浜-大倉孫兵衛の錦絵展-

2009.11.03
第15回研究所資料展
(第25回大倉山秋の芸術祭参加企画)

描かれた開港地・横浜-大倉孫兵衛の錦絵展-

大倉孫兵衛は、大倉精神文化研究所を創設した大倉邦彦の養祖父です。幕末、若き日の大倉孫兵衛は、「万屋」の名で錦絵の出版・販売を始め、企業家として歩みだしました。

世の中(浮き世)を描いた風俗画を浮世絵といいます。浮世絵は、江戸時代に版画として庶民に流行しました。浮世絵の中でも、江戸時代中期以降に制作されるようになった多色摺りの浮世絵は、錦絵とも呼ばれました。浮世絵に描かれた題材には、役者、美人、文学、風景、地理、時事など多様なものがありますが、その中でも、幕末の黒船来港以来、爆発的な人気を博したものに、新時代の文物を描いた「開化絵」と呼ばれる作品群があります。

横浜は、150年前の開港により東西文化融合の地となりますが、大倉孫兵衛が家業の出版業から、やがて海外へ視野を広げて、貿易業や近代製陶業へと事業展開するきっかけとなった場所でもあります。

開港地・横浜では、多くの外国人や西洋建築などが人目を引きました。開化絵の中でも、開港地・横浜の人々や風俗、地理を主題として取り上げた作品を、特に「横浜錦絵(横浜絵、横浜浮世絵)」と呼びます。

横浜錦絵は、おもに万延元年(1860)から明治5年(1872)にかけて制作されたとされ、 現在までに100軒ほどの版元から840点あまりが出版されたことが確認されています。大倉孫兵衛が出版した錦絵の中にも9点の横浜錦絵と100点近い開化絵があります。

そこで今回は、横浜開港150周年を記念して、大倉孫兵衛が出版した横浜錦絵、開化絵を展示いたします。

図書館閲覧室に横浜錦絵、開架書庫に開化絵を展示しました。錦絵を通して、当時の人々の異文化への眼差しを感じていただければ幸いです。

開催にあたり、格別のご指導、ご協力を賜りました関係各位にあつく御礼申し上げます。

展示会報告「描かれた開港地・横浜」(『大倉山論集』第56輯掲載)

  • 会 期:平成21年(2009113日(火)~1128日(土)
  • 会 場:大倉精神文化研究所附属図書館(大倉山記念館内)
  • 主 催:大倉精神文化研究所
  • 共 催:横浜市港北図書館
  • 協 力:横浜開港資料館、神奈川県立歴史博物館、明治大学博物館、井谷善惠氏、佐藤美子氏

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