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催し物

第●回大倉山講演会/小説に表れた教育、試験

2014.03.15
平成26年「文芸作品に表れた近代化」/1

小説に表れた教育、試験

  • 講 師:茂住實男(大倉精神文化研究所所長)
  • 日 時:平成26年(2014315日(土)

明治新政府は近代国家日本の建設を目ざしますが、その実現のためには数多くの能力ある人材が必要でした。政府はその人材を、かつてのように武士という特定の身分から集めるのではなくて、身分を越えて広く国民全体の中から選び出そうと考えました。

政府は1872年(明治5)に欧米に範を取った近代的な学校制度「学制」を定め、全国津々浦々に学校を設置することにしました。学制序文には学校設立の理由が示されていて、そこには能力主義による立身出世が謳われていました。血筋や家柄で決まっていた人の評価が、その人自身の能力で決まるようになったのです。学校には試験が導入されました。そうした'欧米流の近代的な教育や試験'が、当時の人びとにどのように受け止められていたのか、当時を描いた小説などから拾い出してみようと思います。

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